夫婦・カップルのお金の管理は、全てのお金を統合して(合算制)いる夫婦もいれば、共有費用を分担して(分担制)やりくりを行っている同棲カップルもいます(別の記事のリンク)。 また、予算を設定して毎月の収支を確認している同棲カップルもいれば、家計簿をつけずに流れに身をまかせる夫婦もいます。 ここでは3組の夫婦・同棲カップルが、「どのように管理方法を決めたのか?」「その管理方法をどのように実現しているのか」、そして少しの生々しいエピソードもご紹介します。
トモキとエミコ / 結婚1年目
埼玉県に住む結婚1年目のトモキさんとエミコさんのカップルに話を聞きましょう。
●2人の基本情報
トモキ
・年齢:30歳
・仕事:IT企業のマーケティング職
・年収:450万円 / 毎月の手取り32万円
・お金の管理:ある程度の独立性を保ちたい
エミコ
・年齢:29歳
・仕事:ネイルサロンのネイリスト
・年収:320万円 / 毎月の手取り22万円
・お金の管理:夫婦で完全に分けることは避けたい
子供やペット
・ペット:オスのネコ1匹
お金の管理
・分担制の「定額出し合い型」
●お金の管理ルールを決める
2人の場合、トモキの方が年収が130万円高くなっています。トモキはある程度の経済的な独立性が欲しく、エミコは完全に別々管理は避けたいと思っていたため、話し合いの結果、2人で共有費用をお互いの収入に比例して出し合うことを決めました。また、今後子供が産まれる際などにはルールを見直すことにも同意しています。
2人は生活費を計算すると、家賃・食費・ペットのご飯も含めて、毎月30万円になることを計算しました。また、同時に家を買うことを目標に別で貯金用の予算も立てました。
ステップ1 2人の世帯収入を計算する
トモキ 450万円
エミコ 320万円
合計 770万円
ステップ2 2人の収入割合を計算する
トモキ 58%(450万円/770万円)
エミコ 42%(320万円/770万円)
ステップ3 毎月の拠出額を計算する
トモキ 18万円(60%/100%)
エミコ 12万円(40%/100%)
合計 30万円(100%/100%)
※トモキが本来58%のところ60%を選んだのは、少しの見栄か家族を引っ張りたいという意思でしょう。 彼らが選択した方法にもとづいて、トモキは共有費用の60%を支払い、エミコは40%を支払います。これによりトモキは共有費用に拠出したお金以外の部分で、趣味の自転車をカスタムしたり、エミコは北海道発の大好きなコスメグッズを毎月1個増やすように、それぞれが楽しみながら一緒に生活ができるようになります。
●お金の管理を実現する
管理ルールが決まったところで、どのようにそれを実現しているかも覗いてみましょう。
1.毎月の各自の共有費用への拠出と、固定費についての準備
管理を簡単にするために、彼らはまず銀行口座を2つ準備しました。
#2人の共用口座
・生活費用の銀行口座(トモキが使っていなかったネット銀行の口座)
・貯蓄用の銀行口座(エミコが新しく開設したメガバンクの口座)
次にしたことは、それぞれのお給料口座から、2人の共用口座に振替設定をすることです。 これにより、毎月のお金を移動する手間も省け、足りなくなる度にATMから現金を何回も引き出すときの手数料を節約できます。 また同時に共有費用の固定費(家賃、通信費、ペット保険など)を生活費用の銀行口座から引き落とすようにも設定しました。
これで毎月の共用費用の拠出と固定費の支出に関しては、自動化が完了しました!
(そしてお気づきのように、彼ら夫婦はOsidOriに銀行口座を登録して、お金の動きをいつでも2人が見られるようにしています。ありがとうございます!)
2.日々の変動費の管理
変動費は少し扱いがやっかいです。というのは、各自が共有費用の買い物をした場合(スーパーで野菜を買ったり、ドラッグストアで薬を買いますよね)、そのお金は立て替えたことにとなり、その後に立て替えた費用の集計と精算をするためです。2人は月に1回、集計と精算をすることにしています。
#1ヶ月の立て替え費用の集計と精算
・立て替えた費用を計算する
トモキ 12,000円
エミコ 46,000円
合計 58,000円
・分担ルールに添って負担金額を計算する
トモキ 34,800円(60%/100%)
エミコ 23,200円(40%/100%)
合計 58,000円(100%/100%)
・精算する
トモキからエミコへ 22,800円(エミコが立て替えた金額46,000-負担すべき金額23,200=22,800円)
集計するにはレシートやカードの明細を取っておき、計算しないといけません。もしレシートを捨ててしまうと、集計に計上できないのはもちろん、そもそも自分が払ったことさえも忘れてしまうでしょう。 (2人はOsidOriに都度記録していたので、レシートを取っておく手間はありませんでした!)
これらの面倒な作業を軽減するために、彼らは近いうちに家族カードを作り、生活費用の銀行口座に紐づけることを計画しています。そうすればお金の出元が2人の共有口座1つになり、そもそも精算する必要がなくなるためです(他には、電子マネーに共用アカウントを作り、そこにチャージして出費するのも同じ意味を持ちます)。もちろん、カードや電子マネーを使えないお店やシーンでは、現金等による立て替えもあると思いますが、きっとその数を減らすことはできるでしょう。
タカシとアキコ / 同棲中
東京都に住む結婚を控えて同棲中のタカシさんとアキコさんのカップルに話を聞きましょう。
●2人の基本情報
タカシ
・年齢:28歳
・仕事:人材派遣会社の営業職
・年収:420万円 / 毎月の手取り29万円
・お金の管理:ある程度の独立性を保ちたい
アキコ
・年齢:27歳
・仕事:病院の看護師
・年収:450万円 / 毎月の手取り31万円
・お金の管理:ある程度の独立性を保ちたい
子供やペット
・なし
お金の管理
・分担制の「支払い担当型」
●お金の管理ルールを決める
2人ともある程度の経済的な独立性が欲しいため、管理方法は分担性の「支払い担当型」にすることで比較的簡単に決まりました。2人の場合、アキコの方が年収が50万円高くなっていますが、ほぼ同じ水準ですので、同額程度の負担になるように費用を担当しようということで合意しました。
2人は生活費を計算すると、家賃・食費・通信費なども含めて、毎月27万円になることを計算しました。また、同時には結婚資金の足しにするために毎月3万円ずつを出し合って貯金します。
ステップ1 2人の世帯収入を計算する
タカシ 420万円
アキコ 450万円
合計 870万円
ステップ2 2人の収入割合を計算する
タカシ 48%(420万円/870万円)
アキコ 52%(450万円/870万円)
ステップ3 毎月の拠出額を計算する
タカシ 13.5万円(50%/100%)
アキコ 13.5万円(50%/100%)
合計 27万円(100%/100%)
※xxxが本来48%のところ50%で合意したのは、端数は面倒くさかったからだそうです。
ステップ4 共有費用を支払う担当を決める
・タカシ
担当する費用の目安金額:13.5万円(50%/100%)
担当する費用:家賃 9万円、光熱費1.5万円、通信費1.5万円、生命保険料1.5万円
・アキコ
担当する費用の目安金額:13.5万円(50%/100%)
担当する費用の目安金額:食費6万円、日用品3万円、その他の項目をまとめて(趣味や娯楽なども)4.5万円
彼らが選択した方法にもとづいて、タカシ・アキコともに、共有費用の50%になるように共有費用を分担します。
これによりタカシは共有費用に拠出したお金以外の部分で、趣味のゲームソフトを購入したり、アキコは独身時代から貯蓄している個人口座でも引き続き貯蓄を続けます(いくぶん金額は減りますが)。
「支払い担当型」の難しい点を挙げますと、固定費以外は特に金額が変動することです。光熱費を担当するタカシは冬のエアコンの使用方法に敏感になるかもしれませんし(固定費も若干変動するものがあります!)、日用品を担当するアキコはついついしてしまうコンビニでの買い物を控えて、ドンキホーテでまとめて買い物をするようになるでしょう。
●お金の管理を実現する
管理ルールが決まったところで、どのようにそれを実現しているかも覗いてみましょう。
1.結婚式のための共有貯金口座の準備
幸せな結婚式を願って、彼らはまず共有貯金用に銀行口座を1つ準備しました。
#2人の共用口座
・貯蓄用の銀行口座(アキコが新しく開設した都市銀行の口座)
次にしたことは、それぞれのお給料口座から、2人の共用貯蓄口座に毎月3万円ずつを振替設定をすることです。 これにより、毎月のお金を移動する手間も省けます(タカシは振込手数料がかかっていますが、アキコのお給料口座は月に2回まで振り込み手数料が無料なので、アキコは振替を無料で実現しました!)。
これで毎月の共有貯金の積み立てに関しては自動化が完了しました! (そしてここでもお気づきのように、彼ら夫婦はOsidOriに銀行口座を登録していますので、毎月末にお金が口座に貯まっていく事を見るのが楽しみになっています。ありがとうございます!)
2.共有費用の各担当分の支払い
この管理方法をスタートさせた当初は、各自が担当分の支払いをするため、特にお互いに支払ったことを共有することはありませんでした。(突然家の電気がつかなくなったりしない限りは、支払っていないことを疑われません)
しかし数ヶ月経ってから、2人はお互いの支払いを共有することにしました。
結婚式は当初こじんまりとしようとしていましたが、来賓を増やすことに変更したため、毎月の貯蓄額をふたすことになり、そのためにも家計の無駄を見直したいとなったからです。
もちろんその理由もあると思いますが、もう一つの理由を推測してみます。それは、事前の計算では支出額が平等になるように決めていましたが、本当に同じ程度になっているのか、どちらかが感じていたのではないかということです。タカシは固定費を主に担当しているので、ほぼ支出額は変わりませんが、アキコは変動費を多く担当しており、以前より食費などを節約しているようなため(賢くまとめ買いしていることは素晴らしいと思いつつ、最近大好きな牛肉が出てくる頻度が下がった気がしていたかもしれません!)、自分の方が多く出しているのかなとうっすら感じていたのではないかと。
このカップルの場合の真偽は確かではありませんが、さまざまなカップルにインタビューをすると、平等であることについてのコメントも多く、どこかのカップルでは間違いなく生じる小さないざこざの種です。
2人のお金の管理に戻りましょう。
共有費用の各担当分の支払いについて共有をすることで、結果的に2つのことが良い方向に進みました。
1つ目は、共有費用のムダを改善できたことです。
例えば、タカシが担当していた通信費が安くなりました。2人とも大手3キャリアで契約していましたが、格安SIM会社に乗り換えることで、以前とほぼ同じ利用をできたままで、費用の削減だけ成功しました。(月末が近づくとインターネット速度が劇的に遅くなるようなことはなくです!)
2つ目は、2人の信頼関係が以前よりさらに良いものになったことです。
基本的にはお金に限らず2人で何かを共有しあうことは、関係性の向上に役立つものです。結婚を控えた2人は、以前よりも一層チームとして成長できたに違いありません。ただ、だからといってお互いの個人的な支出も公開しようとなると、それに抵抗がある2人には逆効果になるだろうことは添えておきます。
フミヤスとカズエ / 結婚3年目
千葉県に住む結婚3年目のフミヤスさんとカズエさんのカップルに話を聞きましょう。
●2人の基本情報
フミヤス
・年齢:34歳
・仕事:金融機関の企画職
・年収:550万円 / 毎月の手取り38万円
・お金の管理:ある程度の独立性を保ちたい
カズエ
・年齢:31歳
・仕事:アパレル企業の経理職(時短勤務中)
・年収:250万円 / 毎月の手取り17万円
・お金の管理:夫婦で完全に分けることは避けたい
子供やペット
・子供:2歳の男の子
お金の管理
・「合算制」
●お金の管理ルールを決める
2人の場合、フミヤスの方が年収が300万円高くなっています。カズエは現在育児に時間を割きたいため、以前から勤めて会社で時短勤務中です。 実は子供が産まれる前は分担制だったのですが、お子さんの妊娠を機にカズエが時短勤務にすることにし、収入が減るタイミングで合算制に変更しました。 合算制にする理由は様々ありますが、2人の場合は「子供の教育資金をたくさん貯める」ために、お金を全て統合することにしたのです。 (フミヤスが自由に使えるお金はお小遣い制になったため以前よりも減りましたが、最愛の息子の笑顔という宝物があるため、その勇気ある決断に納得できています!)
2人は生活費を計算すると、家賃・食費・子供のオムツ代なども含めて、毎月35万円になることを計算しました。また、同時に子供を中学から私立に行かせることを目標に別で貯金用の予算も立てました。
ステップ1 2人の世帯収入を計算する
フミヤス 550万円
カズエ 250万円
合計 800万円
ステップ2 毎月の予算を計算する
支出 35万円
貯蓄 15万円
お小遣い フミヤス分 2.5万円
お小遣い カズエ分 2.5万円
合計 55万円
彼らが選択した方法にもとづいて、フミヤスとカズエは収入の全てを統合し、そこから共有費用・それぞれのお小遣い・貯蓄をやりくりします。 それぞれの自由なお金は以前よりも大きく減りましたが、子供に充分な教育を受けさせたいという強い想いがあるため、2人は決断しました。 (フミヤスは中学から大学まで私立でしたが、まさかそこまでお金がかかるとは!と自分が親になり、両親にあらためて感謝をしたのは言うまでもありません)
●お金の管理を実現する
管理ルールが決まったところで、どのようにそれを実現しているかも覗いてみましょう。
1.毎月の共有費用の管理と、教育資金用の貯蓄の準備
管理を簡単にするために、彼らはまず銀行口座を2つ準備しました。
#2人の共用口座
・生活費用の銀行口座(フミヤスが使っていなかったネット銀行の口座)
・貯蓄用の銀行口座(フミヤスが新しく開設したネット銀行の口座)
※フミヤスは金融機関勤務ということもあり、その便利さからネット銀行での管理を選択しました。
次にしたことは、それぞれのお給料口座から、2人の共用口座に振替設定をすることです。 これにより、毎月のお金を移動する手間も省け、足りなくなる度にATMから現金を何回も引き出すときの手数料を節約できます。 また同時に共有費用の固定費(家賃、通信費、保険料など)を生活費用の銀行口座から引き落とすようにも設定しました。
これで毎月のお給料の統合と、貯蓄口座へのお金の積み立ては、自動化が完了しました! (今回もお気づきのように、彼ら夫婦はOsidOriに銀行口座を登録して、家族のお金の全てをいつでも把握できるようにしています。ありがとうございます!)
2.自動化が難しいいくつかのアナログ作業
他方で、全て自動化することは難しく、一部アナログな管理も同時にしています。
家族の生活費の変動費(食費、日用品など)は、生活費用口座に紐づけたカードで支払いをしていますが、どうしても現金で支払うものも出てきますので、ある程度の現金を手元に置いておかないといけないためです。(2人が大好きな近所の昔ながらの街中華のチャーハンは、カードや電子マネーでは食べられず、どうしても現金が必要なのです!)
ですので、一定の生活費と2人のお小遣いは、がATMで月に1回引き出してそれぞれに渡しています(月に1回は引き出しが無料なのです)。しかしここで引き出す金額を誤ると、大嫌いなATM手数料がかかってしまいます。
次は私たち夫婦・カップルの番です
3者3様の夫婦・カップルのお金の管理はいかがでしたでしょうか。OsidOriアプリを使っている彼らですので、比較的しっかりめにお金を管理しているのだと思いますが、どこか参考になるポイントがあればぜひ真似してみてください。
この記事は、これを読んでくださったあなた方ご夫婦・カップルの幸せにつながるヒントとなることが目的です。さあ、どういう方法でお金と向き合い、ご家族で幸せになりますか?